「暑さ寒さも彼岸まで」と言われますが、今年の彼岸(春分)はまさに暦どおり、前日(19日)に大沼(気象庁アメダス)の積雪が0センチ(平年差―26センチ)に、そして昨日、春分の日(20日)の最低気温は―1.5℃(平年差+1.5℃)、最高気温は+6.1℃(+0.8℃)と絶好の探鳥日和に恵まれました。という訳で3月13日以来、ちょうど1週間ぶりの大沼探鳥行と相成った次第です。
・湖明け(うみあけ)は? 3月に入ってから比較的、暖かい日が続いていたので、もしかしたら湖面の雪氷が解けて「湖明け」を予想して向かったのですが、大沼はまだ全面が雪氷に覆われた状態、小沼はセバット付近の水面がやや広くなった程度でやはり雪氷に覆われた状態、湖明けまでにはもう少し時間が必要ようでした。小沼散策路から望む残雪の駒ケ岳は陽光を受けて眩しく白く輝き、そして小沼、雪氷面と水面の境界付近には、ガンが列をなして黒っぽく小さく写っているはずです。
・クマゲラ?! 小沼の散策路でお仕事中の大沼公園のネーチャーガイドさんに遭遇、お客さんにクマゲラを解説中でした。樹幹に幾つかあけられた特徴的な食痕はクマゲラによるもので本物、でもクマゲラはガイドさん手づくりのイミテーションでしたが、一瞬「あっ、クマゲラだ!」と声をあげたくなるほど精巧にできていました(なお、写真撮影、ブログへの投稿は、ガイドさんの了解を得ています)。
・ミズバショウ 大沼公園の「春告げ花」ミズバショウの今です。ここは大沼湖岸の東大沼キャンプ場からおよそ250mの所にあるミズバショウ園地、雪面の切れ目に広がる湿地の水面から、淡緑色のミズバショウの可愛い葉が顔を覗かせていました。大沼観測所の積雪はゼロでも園地のような湖畔の林床や、横津岳山麓の牧草地などには未だ、数十センチの雪が残っています。
・北帰行の季節 この日、大沼、小沼の湖岸、湖面にはオオハクチョウの姿は見えず、ガンの姿は数えるほど、昨シーズンは数百羽~千羽にもなろうかという大きな群れが飛来していたのに・・・、年明け以降、3月に入ってからもこの日を含めて何回か訪ねていますが、オオハクチョウは今シーズン初めて、それも湖からはかなり離れた横津岳の麓に広がる牧草畑に30羽ほどの小さな群れが見れただけです(写真左:はるか上空を鈎になって、写真右:雪が解けた牧草畑で羽を休めている)。人知れず夜中に渡って行ったのか、昨シーズンとは違うコースで渡ったのか、時期が少しずれているのか、その理由は分かりません。
渡り鳥の越冬地に異変? 渡りの時期あるいはコースにずれ? 気象・天候要因? ハクチョウに限らず今季の探鳥の成果は今までと少し違うみたいです。昨シーズン、あんなに頻繁に見ることができたクマゲラ(渡らない留鳥です)、今シーズンはこの日が初めて(イミテーションのクマゲラとは全く違う場所です)、しかも姿を見ることはできず、鳴き声(キョーン)のみという結果でした。これからも私設の「生物季節観測所」の観測は継続するはずです。