道南地方は今、淡い緑、濃い緑とり混ぜて、ほぼ緑一色の世界が広がっています。賞味期限が切れそうな花もあるみたいですが、以下、道南の春の花、4題です。
🌸タンポポ:毎春、どこででも見かける、特に珍しくない花ですが、天候経過の影響もあるのでしょうか今年の春は特に至る所、タンポポの美しい花畑が広がっているという印象を受けました。函館市の五稜郭公園、城郭跡の御堀端を鮮やかな黄色で彩るタンポポの花、お濠の両側には既に葉ザクラとなったソメイヨシノの並木、そしてお濠の内側にはソメイヨシノの間に遅咲きのサクラが見えています。五稜郭は元治元年(1864年)竣工、戊辰戦争の最後となった場所で「兵どもの夢のあと、蝦夷共和国は夢のまた夢・・・」。
🌸 サクラ:およそ半月前(4月28日)、松前花見の帰りに立ち寄った時には、未だ固い蕾だったトラピスト修道院の遅咲きのサクラ並木(八重桜で種類は「関山」)、今、正に見ごろを迎えていました。当修道院は厳律シトー修道会(トラピスト)に属する男子修道院の一つで、わが国で最初、明治29年(1896年)に開院されたもので、北斗市の当別、眼前に津軽海峡の絶景を見下ろせる高台にあります(当院オリジナルのクッキーは函館土産の定番)。
🌸 チューリップ:咸臨丸は幕府海軍の軍艦から開拓使の輸送船へと数奇の運命をたどり、明治4年(1871年)、木古内町泉沢沖で暴風雨に遭ってサラキ岬で破船、沈没したオランダで起工された木造の帆船です。写真は5分の1スケールの咸臨丸模型船、オランダに因んで風車、80種5万株のチューリップとともに「オランダチューリップ花園」として整備されています。
🌸 リンゴ:セイヨウリンゴ発祥の地とされている七飯町、七飯岳・横津岳西麓の扇状地にはリンゴ園が多く、今、白い花を付けています。写真は町の歴史館見本園にあるリンゴ、それもただのリンゴではなくニュートンリンゴと称されている逸品です。あのニュートンが実の落下から、万有引力を発見したというリンゴの木に繋がる(イギリス王立物理学研究所の保存されている原木の穂木の穂木、つまり孫世代)由緒あるリンゴの花です。
このように幕末から明治にかけての北海道の歴史にゆかりが深い花、あるいはその歴史に人々が思いを込めた花、そんな花にまつわる道南の春の花、4題でした。