「次の世代に引き継ぎたい北海道の大切な宝物」をコンセプトに、街並みや建造物、自然はもとよりジンギスカンやラーメンに至るまで北海道遺産の種類は多種多様、道民参加によって52件が選ばれています。8月の半ばにその一つ、日本海沿岸南部にある「上ノ国の中世の館《たて》」を訪ねました。北海道の史跡・遺産というと、幕末~明治の北海道開拓時代以降のもの、先住者であるアイヌ民族に関するものが直ぐ思い浮かびますが、中世がテーマのここ上ノ国はちょっと異質かも知れません。館とは中世、交易のため蝦夷地に渡って来た和人が築いた山城で、上ノ国町の夷王山(標高159㍍)の北側斜面の中腹、当時の交易港を見下ろす高台に1470年頃に築かれた山城が「勝山館」(上ノ国にはこの他、3つの館があった)という館で、16世紀末頃まで城主蠣崎氏の日本海側における政治・軍事・北方交易と拠点だったと記されています。山頂近くには資料館を兼ねた町営の案内施設「勝山館跡ガイダンス施設」があり、さらに山麓に向かって下って行くと墳墓群、勝山館跡(単に城というよりコンパクトな城下町といったイメージ)が広がっており、そこに立てば「北の中世」を肌で感じ取ることができる北海道遺産です。

