6.47で,北海道の東海上から関東〜近畿地方にかけてうず度0線がある。このような直線状のうず

度0線は強風軸に対応したもので,地上の前線帯の目安になる。図6.51で,地上から上層に向かって北

側へ傾いている気温の逆転層(転移相)があり,これは前線面である。上層の強風軸の南に地上の前線

帯がある。

 

図6.51 平均南北断面の模式図:実践は風速,破線は気温。

 

[問題]空気がある点を中心に半径r,角速度ωで反時計回りの円運動をしているときのうず度を求め

なさい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

   答 2ω

     円運動:v=rω ,風速の符号に注意 

6.53)式へ

凾磨≠u2−V1=(rω)−(−rω)

凾普≠t2−U1=(−rω)−(rω)

凾=凾凵≠Qr

      を代入する。        

*この問題で図を北極の真上から見たものと考える。

点P :北極点

ω  :地球の自転角速度Ω

円周 :ある緯度線

とすれば

2ω=2Ωで,

コリオリパラメーター f=2ΩSinφ   コリオリ力=2ΩVSinφ

の2Ωのことで,地球回転のうず度である。

 

 

 

図6.52 うず度:曲率と速度シアー

 

 

うず度の表わし方にべつの表現がある。

6.52で,蛇行している流れの地点Pのうず度を考える。Pの流れをPに接する円運動とVで示す線運動に分ける。

Pの回りの微小部分を円弧とする円を考え、

その円の半径をr,

Pを挟んだ半径方向の距離凾窒ナの風速差を凾u(=V−V

とすると,

ζ=(V/r)+(凾u/凾秩j      (6.54)

       rは反時計回りを正,時計回りを負とする。

       (1/r)を曲率という。

と表すことができる。式の導き方は本書の範囲を超えるので省略する。

 

流れがなだらかな曲線の時はそれに接する円は大きく,半径も大きいので曲率は小さい。反対に,流れが急なカーブ
の時は曲率は大きい。

この式でうず度を述べると,うず度は

「曲率の効果」と「水平方向の風速差」

によって生じるとなる。