このことを図6.8,図6.9で確かめる。図6.9上図で高度5700mでの気圧と気圧500hPa(真

ん中の曲線)上の高度を対比すると,上記のことが確かめられる。

等圧面天気図の利点

 気体の状態方程式をある気圧面,例えば850hPa面で考えてみる。

     P=ρRT

     P=850×100Pa:どの地点でも

       *気圧の単位はPa=100hPa

       Rは気体定数で一定

     ρT=P/R=一定

     温度Tが分かれば密度ρが分かる。

 

 地上天気図には前線が解析されている。しかし,地表は地物の影響がある。これを取り除くた

めに,地表摩擦がなくなる自由大気で地上に近い850hPa等圧面天気図が基本的な前線解析に用

いられる。前線は密度の不連続,平たくいえば密度が急激に変化するところと定義されている。

前述のように等圧面においては ρT=一定 であるから,密度が大きく変わるところは温度も

大きく変わるところである。密度は直接観測していないので温度分布(温度が大きく変わるとこ

ろは等温度線が込んでいる)と風向の変化などから前線を解析している。

 

 

図6.8 等高度面と等圧面

図6.9 等高度面と等圧面の関係  (「気象用の物理学」二宮洸三から作図)