6.1.3等高度面と等圧面

 天気図解析,数値予報天気図の代表的なものに地上天気図,850hPa等圧面天気図,500hPa等

圧面天気図などがある。図6.5〜図6.7にそれぞれの天気図を示す。

 図6.5は地上天気図で,解析された等圧線(通常4hPa毎)と観測地点の種々の観測値が記入

されている。観測値は観測した地点の値だが,等圧線を描く気圧は観測地の値(現地気圧)では

なく海抜0mに換算された値(海面更正気圧)を用いる。

 

 

図6.5 地上天気図(気象庁)

 

観測地の気圧(現地気圧)で等圧線を描くとどうなるか? 気圧は上層(高度が高い)ほど低

い。山は周りの平野よりも気圧は低いので,常に低気圧があることになる。この矛盾をなくすた

めに現地気圧を海抜0mの気圧に換算して解析する。この気圧を海面更正気圧という。地上天気

図は気圧から考えると等高度面天気図であるが,他の気象要素は異なる高度の観測値である。

6.6,図6.7は850hPa等圧面天気図と500hPa等圧面天気図である。実線は等高度線(m:

通常は60m毎),破線は等温線(℃:通常は3℃毎)である。

6.6で九州の南,南西諸島に太実線があり,西へたどると1500と記されている。これはこ

の線上の地点において,気圧が850hPaになる高度が1500mであることを意味する。このように,

上層の天気図は等圧面天気図が用いられる。ここで等高度面と等圧面を考える。図6.5の地上天

気図でカムチャッカ半島の南に低気圧がある。850hPaでも閉じた高度線があり低気圧になって

いる(等圧面でも高度が低いから低高度とはいわずに低気圧という)。等高度面の低気圧と等圧

面の低気圧は1対1に対応し,高気圧も同様である。

図6.6 850hPa等圧面天気図(気象庁)

 

図6.7 500hPa等圧面天気図(気象庁)