[問題11] 下図右上の観測値が得られた。エマグラムに温度、露点温度をプロットし、
状態曲線を描きなさい。また下表の各層の安定度に該当するものに○印を
入れなさい。
高 度 (hPa) |
絶 対 不安定 |
条件付 不安定 |
絶 対 安 定 |
500ー650 |
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650−700 |
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700−1000 |
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解答
状態曲線は、気圧、温度線を間違わないように。
安定度は層の気温減率と乾燥断熱線、湿潤断熱線を比べる。
この問の答えは700−1000hPaの層は気温分布から条件付不安定だが、安定・不安
定に関しては飽和していないので安定である。
[問題12] 湿潤な気層が沈降したときの状態曲線を描きます。上層で収束、下層で発散
しているものとします。下表から、次の問に答えなさい。
@初期の温度、露点温度をエマグラムに記入して、状態曲線を描きなさい。
A気層が沈降したときの温度、露点温度をエマグラムに記入して、状態曲線を描きなさ
い。ただし、870hPa〜1000hPaの気層はよく上下混合し、上部には雲が発生してい
る。
初期高度 T Td 下降高度 下降後高度
400hPa −31℃ −36℃ 下方へ160hPa 560hPa
500hPa −18℃ −23℃ 下方へ200hPa 700hPa
600hPa − 8℃ −12℃ 下方へ210hPa 810hPa
700hPa 0℃ − 3℃ 下方へ140hPa 840hPa
800hPa 6℃ 3℃ 下方へ
50hPa 850hPa
850hPa 9℃ 6℃ 下方へ
10hPa 860hPa
900hPa 12℃ 9℃ 870hPa〜1000hPaは混合層
1000hPa 17℃ 14℃ が発達する。
解答 @初期状態を実線で描いています。
A下降後の状態曲線を破線で描いています。
400〜850hPaの気層を下降させるときは、飽和していないので温度は乾燥断熱変
化、混合比は変化しませんから等混合比線に沿って露点温度を決めます。
下層の混合層:まず、900hPaと1000hPaの平均気温と平均露点温度を950hPa
の値とします。この点を通る乾燥断熱線を温度分布線、等混合比線を露点温度分布
とします。910hPaで温度線と露点温度線(混合比線)が交わり、飽和します。ここ
が混合層上部に発生している雲の雲底になります。ここから870hPaまでは雲の中
で、気温線は湿潤断熱線とおなじになります。
*高気圧のところでは上層の気層が沈降して昇温するため、最下層の混合層との間
で逆転層を形成します。沈降性の逆転層は対流抑止面とも言われています。