持ち上げ凝結高度(雲底高度)

[問題5] 雲底高度3000ftの雲が観測された。この雲は地表(1000hPa、21℃)の空気が上昇して

形成されたものとする。雲底気圧高度と温度および地表の露点温度を求めなさい。

.3ft=1m、気圧高度差100hPaが高度差1000mに相当するものとします。

 

 

 

解答[問題5] 

雲底気圧高度:約910hPa 

        雲底高度=3000/3.3=909m 気圧差=90.9hPa

        雲底気圧高度=1000−90.9≒909≒910hPa

      雲底の温度:13℃ 

        地表(1000hPa、21℃)の空気が上昇したのですから、

1000hPa、21℃)を通る乾燥断熱線と910hPaの線が交わる点を見つけ、

そこの温度を読む(エマグラムの横軸の温度)。

      地表の露点温度:14.5℃

        上記の点を通る等(飽和)混合比線と1000hPaが交わる

点の温度を読む。

 

 

 

 

[問題6] 1010hPaでT=11℃、Td=3.5℃の気塊を上昇させ、LCL(持ち上げ凝結高度)と
850、700hPaの気温を求めなさい。また、700hPaにおける凝結する水蒸気量を求めな

さい。

乾燥空気の密度を1kg/mとする。

 

 

 

解答[問題6]

 LCL:900hPa 、 850hPaの温度:−1.2℃ 、

700hPaの温度:−11.0℃

      700hPaの凝結量≒2.5g

      (1010hPa、11℃)を通る乾燥断熱線(この点に近い乾燥断熱線に平行な線を考える)と

1010hPa、3.5℃)を通る等(飽和)混合比線(5g/kgの線を参考にする)の交点を求

めると、900hPaになる。これ以後は飽和空気だから、そこを通る湿潤断熱線に沿って(気

hPa、温度=露点℃)が決まる。本問の場合は280Kの線を参考に湿潤断熱線を考える。

この線と850hPaと700hPaの気圧線が交わる点の温度を読むと−1.2℃、−11.0℃になる。

LCLにおける飽和混合比は4.8、700hPaの温度(=露点)における混合比は2.3だから、

凝結量は4.8−2.3=2.5g.

 

 

 

 

[問題7] 前問(問題6)で、700hPaに達した空気が1010hPaへ断熱下降した時の温度と湿度を求めな
さい。ただし、700hPaまで上昇する間に凝結した水分はすべて空気塊の外へ落下するものと

する。

 

 

 

解答[問題7] 温度18.0℃ 湿度19%

      700hPaまで上昇する間に凝結した水分はすべて空気塊の外へ落下しているので、乾燥断熱

変化を考えればよい。空気塊に凝結水分が残っていれば、それが蒸発して水蒸気になるま

では湿潤断熱変化、それ以後は乾燥断熱変化をする。

      前問から、(700hPa、−11.0℃)から乾燥断熱線に沿って1010hPaまで下降させると、温度

18.0℃になる。

      (700hPa、−11.0℃)における飽和混合比は2.3g/kg、(1010hPa、18.0℃)における飽

和混合比は12.9g/kg、相対湿度は2.3/12.9≒0.18:18%.