3.2.3 気体の状態方程式

 大気(空気)の状態は圧力P、温度T(絶対温度K)、密度ρ(又は比容α)を使って表わします。前

節で述べたように、ボイルの法則とシャルルの法則で圧力、温度、体積の関係がわかりました。でも密

度は?・・・。

ある適当な大きさの空気塊を考えます。その体積がV、質量がMとすれば、密度ρは

ρ=M/V

で、単位体積当たりの質量です。空気塊の気圧、温度、体積が変わってもその質量は変わりません(

量保存則と言います)。上式から空気塊の質量が分っていればボイルの法則とシャルルの法則で密度につ

いても議論が出来るわけです。

次に比容とは何でしょう。比容は密度 の逆の考えで、単位質量当たりの体積を表わし、 

 α=V/M (α=1/ρ)

で定義されます。比重(密度)は同じ大きさでの重さの違い、比容は同じ重さでの大きさの違いを表わし

ます。

  これから本題に入ります。ボイルの法則の(3.6)式とシャルルの法則の(3.10)式を使います。

PV=f(T)                          (3.6)

V/T=g(P)                         (3.10)

3.10)からV=T・g(P)、このVを(3.6)式のVに代入し、整理すると

     g(P)P=f(T)/T                     (3.11)

となります。

ここで、気体の圧力を一定にして加熱した場合に(3.11)式を考えてみましょう。例えば、気圧

1000hPa(=10hPa=10×10Pa=10Pa)に保つとすればg(10Pa)はある一定の値になり、Pは10Pa

です。そうすると、g(10Pa)×10Paはある決まった数(定数)です。この定数をCで表わすと(3.11)

式は

g(P)P=C=f(T)/T       

g(P)=C/P 、f(T)=CT 

となります。g(P)=C/Pを(3.10)式のV/T=g(P)へ代入、又はf(T)=CTを(3.6)

式へ代入すると、

     PV/T=C                        (3.12)

が得られます。この式は個別のある気体の状態方程式で、Cを個別の気体についての気体定数といいま

す。